【8月22日 AFP】ロシアの支援を受けて建設されたイラン初の商業用原子力発電所、ブシェール(Bushehr)原発で21日、原子炉区画に核燃料が搬入された。

 ロシアは核燃料82トンを提供し、使用済み燃料の処理もロシアが行う。イランのアリ・アクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)原子力庁長官は前週、核燃料の搬入は9月5日までに完了するとの見通しを示しており、送電網への電力供給開始は10~11月になるとみられる。

 イランは、原子力発電用のウランの濃縮を進めており、最終的には約2万メガワットの発電が可能になるとしている。

 米国などは、イランが核開発計画を核兵器開発の隠れ蓑にしていると批判している。米国務省のダービー・ハラデー(Darby Holladay)報道官は21日、AFPに対し、ブシェール原発は民生用の施設で国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の保障措置の下にあり、核燃料もロシアが管理するため核拡散につながる恐れはないと述べた。

 また同報道官は、ロシアの協力を受けてイランが原発の稼働体制を整えたことは、イランの核開発の意図が純粋に平和的なものならば、イラン独自のウラン濃縮の必要などないことを示していると指摘した。(c)AFP/Siavosh Ghazi