【8月2日 AFP】2008年米大統領選で共和党の副大統領候補だったサラ・ペイリン(Sarah Palin)前アラスカ(Alaska)州知事は1日、米FOXテレビの番組で、自宅の隣にノンフィクション作家が引っ越してきたため家族のライフスタイルを変えなければならなかったと批判し、「自分の人生を生きなさい」と作家に忠告した。

Fox News Sunday」に出演したペイリン氏は、同氏に関する著作を執筆中のベストセラー作家、ジョー・マクギニス(Joe McGinniss)氏がことし5月にアラスカ州ワシラ(Wasilla)のペイリン氏の自宅のすぐ隣の家に転居してきたことに言及。「新たな隣人のせいで、わたしたちは生活を変えたわ」と語り、自宅内の一角や前庭を避けて生活していることを明らかにした。

「流れに身をゆだねるのは死んだ魚だけ」とお得意の決まり文句を繰り出したペイリン氏は、「だから、誰かがわたしたちのプライバシーを侵害して、わたしたちの自由をいくらか侵害して、わたしたちの楽しみを妨害すること、そういうことを認めて流れに身をゆだねるなんてことは絶対にしない」と強く主張した。

「ある種の人びとは(1つのことで頭をいっぱいにしないで)人生を生きるべき。彼に祝福あれと思うわ。彼は自分の人生を生きるべきなのよ」(ペイリン氏)

 ペイリン氏によると、マクギニス氏は10月にはまたワシラから転居する予定という。

 マクギニス氏が転居してきて以降、同氏とペイリン氏はちょっとした舌戦を繰り広げている。ペイリン氏は5月、フェースブック(Facebook)に「ほら、そこに彼がいる――およそ5メートルくらい離れた借家のテラスから、わたしたちの子どもの遊び場やわたしの家のキッチンの窓を監視している」とつづった。

 一方のマクギニス氏は、5月に米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)の取材に応じた際、ペイリン氏のプライバシーを尊重する約束で家主と信頼関係ができたと述べ、ペイリン氏の反応を「ヒステリックだね」と評した。

 マクギニス氏によると、引っ越してすぐのころ、ペイリン氏の夫のトッド(Todd Palin)さんがあいさつに来たが、マクギニス氏の書いたペイリン氏を批判する雑誌記事について「ウソだらけで中傷だ」と「信じられないほど敵対的」な感情を示したという。

 また、ペイリン氏のフェースブックへの書き込みの後、「数千件もの怒りの電子メールと、数件の殺害脅迫」が届いたことを明かした。

 マクギニス氏はペイリン一家の写真は撮影しないことを約束しているが、ペイリン一家は両家の間に14フィート(約4.3メートル)の高さの柵を新たに設置した。

 マクギニス氏は、「The Selling of the President, 1968」やアラスカ州の石油パイプラインを取り上げた「Going to Extremes」(1980年)、米軍大尉の殺人容疑をめぐる「Fatal Vision」(1983)などのベストセラー本で知られている。ペイリン氏に関する著作「Sarah Palin's Year of Living Dangerously」は2011年秋に刊行予定。(c)AFP