【8月1日 AFP】イランで姦通罪により石打ち刑による死刑を宣告された女性について、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は31日、「亡命を受け入れる用意がある」とイランの指導部に呼び掛けた。

 ブラジルのエスタド(Estadao)通信によるとルラ大統領は、11月の次期大統領選へ向けて自らが選んだ後継者ジルマ・バナ・ルセフ(Dilma Vana Rousseff)官房長官の選挙集会で行った応援演説の中で、「わが友人、アフマディネジャド(イラン大統領)とイランの最高指導者(アリ・ハメネイ師)、そしてイラン政府に訴えたい」と切り出し、このイラン人女性をブラジルが受け入れることを認めて欲しいと切り出した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、この女性は2児の母のサキネ・モハマディ・アシュティアニ(Sakineh Mohammadi-Ashtiani)さん(43)。2人の男性と「違法な関係をもった」として2006年5月に有罪となりむち打ち99回の刑を受けたが、その後、夫が殺害された事件の裁判の過程で不倫をしたとされ、06年9月に姦通罪で石打ち刑による死刑を宣告された。この判決に対し、欧米を中心に世論が巻き起こり、7月初旬に執行されるはずだった死刑の執行は一時的に停止された。

 演説でルラ大統領は「一国の法律は尊重しなければならない。しかしイラン大統領、そしてイラン国民に感じているわたしの友情と敬意に何かの価値があり、この女性が(イランで)不快の念を引き起こしているのならば、われわれは彼女をブラジルに受け入れる用意がある」と語った。(c)AFP

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