【7月29日 AFP】米アリゾナ(Arizona)州フェニックス(Phoenix)の連邦地裁は28日、不法移民の取り締まりを強化する同州移民法の主要部分の施行差し止めを命じた。

 29日の施行直前に下された司法判断は、同法を提訴したバラク・オバマ(Barack Obama)政権の意向に沿うものとなった。オバマ大統領は、移民政策は連邦政府の管轄下にあり、州法は連邦法や憲法よりも上位にはなりえないと主張。「誤った」法律であるとして、司法省に合法性の精査を命じるなど、強い姿勢で臨んでいた。

 同法は、不法移民と疑われる場合にその在留資格を確認するよう警察官らに求めるもので、人権団体は「人種による選別」につながるとして非難していた。

 スーザン・ボルトン(Susan Bolton)判事は、警察官が合法的な外国人居住者を誤認逮捕することも大いにありうるとして、この条項などの施行を差し止めた。

 同州のジャン・ブリューワー(Jan Brewer)知事は同日、ただちに控訴する意向を示し、「最高裁まで持ち込むことも辞さない」と話した。(c)AFP/David Anderson