【7月26日 AFP】(一部更新)アフガニスタンにおける軍事作戦に関する米国防総省の機密文書約9万2000点を、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が25日公開した。パキスタンの情報機関がアフガニスタン反政府勢力を支援していた実態などが記されているとされ、ホワイトハウスは情報開示を非難する声明を発表した。

 公表されたのは2004~10年に米国防総省が作成した文書で、これまで明らかにされていなかったアフガニスタン戦争に関する情報も含まれている。情報源は明らかにされていない。

 情報漏えいについて最初に報じたのは、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)、英紙ガーディアン(Guardian)、独週刊誌シュピーゲル(Spiegel)の3社で、数週間前にウィキリークスから機密文書を受け取り、同サイトが情報を掲載する25日に報道することで合意していた。

 NYタイムズは文書について、「パキスタンが表面上は米国の同盟国でありながら、自国の情報機関員に(アフガニスタンの旧支配勢力)タリバン(Taliban)と直接会うことを許可している」事実を示唆していると報じた。また「秘密戦略セッション」として、パキスタン情報機関が「アフガニスタン駐留米軍と敵対する武装勢力のネットワークを組織し、アフガニスタン指導者の暗殺を企ててさえいた」と伝えた。

 英紙ガーディアン(Guardian)は、多国籍軍の作戦で、タリバンだけでなくますます多くの民間人が殺害されている現状が克明に記されているとし、「アフガニスタン戦争の失敗を衝撃的に描写する内容」と伝えている。

 ホワイトハウスは文書がウィキリークスのサイトに公表される直前、情報漏えいは米国民の命を脅かす危険があると非難する声明を発表した。

 一方で、文書の内容に関しては、パキスタン情報機関とアフガニスタン反政府勢力のつながりは長く疑問視していたと指摘し、09年3月31日にロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官が「(パキスタン情報機関)『三軍統合情報部(Inter Services IntelligenceISI)』が(過激派グループと)接触していることはわれわれにとって大きな懸念」と述べた発言など、過去に軍幹部が懸念を表明した例を公表。驚くべき内容ではないとの見方を示した。

 ウィキリークスには以前も、イラク・バグダッド(Baghdad)で米軍ヘリコプターが市民を銃撃する極秘映像が公表され、米軍兵が情報漏えいの罪で起訴された。(c)AFP/Kerry Sheridan

【関連記事】内部告発サイト「ウィキリークス」とは?創設者が語る「使命」