【7月23日 AFP】ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は22日、隣国コロンビアとの外交関係を断絶すると発表した。コロンビアは前週、同国の左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」をベネズエラが「かくまっている」と非難し、両国関係は悪化していた。

 ベネズエラのニコラス・マドゥロ・モロス(Nicolas Maduro Moros)外相はただちに、同国にいるコロンビア外交官の72時間以内の国外退去と同大使館の閉鎖を命じた。また、コロンビアのベネズエラ大使館の閉鎖も併せて発表した。

 米国と強固な軍事協定を結ぶコロンビアと、キューバの同盟国で豊富な石油収入によりロシア製の戦闘機や武器を蓄積しているベネズエラとは、ここ数年、いさかいが絶えなかった。

 2008年には、コロンビア軍がFARC掃討作戦として隣国エクアドルに越境し攻撃した事件をめぐり、両国は交戦寸前となった。

 前週には、コロンビアのアルバロ・ウリベ(Alvaro Uribe)大統領が、FARCとコロンビアの別の左翼ゲリラ「民族解放軍(National Liberation ArmyELN)がベネズエラに後方基地を置いており、同国がこれを黙認しているとする声明を発表。ベネズエラはこれを真っ向から否定するとともに、駐コロンビア大使を召還。コロンビアも数日後、駐ベネズエラ大使を召還した。 

 米国務省は、外交関係断絶の決定を「不適切」と非難。だがチャベス大統領は、コロンビアの「言いがかり」に対して「尊厳に基づいた判断を下した」としている。(c)AFP/Beatriz Lecumberri