【7月19日 AFP】パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は18日、相次いでエジプト・カイロ(Cairo)入りし、同国のホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領と個別に会談した。しかし、両首脳は声明などは一切発表せず、帰国の途についた。

 パレスチナとイスラエルの間接和平交渉を仲介する米国のジョージ・ミッチェル(George Mitchell)米中東和平担当特使も、ムバラク大統領やアラブ連盟(Arab League)のアムル・ムーサ(Amr Mussa)事務局長と会談した。

 ムーサ事務局長は会談後、記者団に対し、パレスチナ自治政府は何の保証もなしにイスラエル側との直接交渉を再開することはできないとの見解を示した。

 ネタニヤフ首相はカイロ入りする前、ムバラク大統領と直接交渉の見通しについて協議すると語っていた。

 一方、エジプトの中東通信(MENA)によると、同国のアハメド・アブルゲイト(Ahmed Abul Gheit)外相は、ムバラク大統領がパレスチナ、イスラエルの両首脳に対し、「イスラエルは自国の意図についてパレスチナ側の信頼を深めるような強力かつ戦略的な行動を示す必要がある。そうすれば、われわれは直接交渉に向けて働きかけることができる」と語ったことを明らかにした。

 アッバス議長とミッチェル特使は17日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のラマラ(Ramallah)で会談したが、パレスチナ側は2008年のイスラエル軍によるガザ攻撃以降中断している直接交渉の再開条件をあらためて強調。自治政府高官のヤセル・アベド・ラボ(Yasser Abed Rabbo)氏は、パレスチナ側は中東和平の中核的な問題を解決したいとの姿勢を強調した上で、新たな交渉において米政府がより明確な立場を示すことを求めた。(c)AFP/Jailan Zayan