【7月12日 AFP】リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の息子、セイフイスラム・カダフィ(Seif al-Islam Kadhafi)氏が代表を務める慈善団体が運航する支援船が、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)へ向かっている。イスラエル政府は11日、支援船を入港させない方針を発表した。

 カダフィ国際慈善基金(Kadhafi Foundation)が運航する全長92メートルの貨物船「アマルテア(Amalthea)」号は10日、支援物資を積んでギリシャのラブリオ(Lavrio)港を出航した。

 同船についてイスラエルのヨッシー・ペレド(Yossi Peled)無任所相は11日、イスラエル公共ラジオで「ガザに到達はさせない」と発言。イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配するガザ地区に無検査で船舶を入港させることは、イスラエルの安全保障上「非常に深刻な結果」をもたらすと述べた。

 また、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)イスラエル首相も同日、米フォックス・ニュース(Fox News)のインタビューに応じ、ガザ地区内への武器流入阻止のため、4年間続くガザ封鎖の継続を固く決意していると語った。

 一方、支援船の目的地をめぐっては混乱も起きている。ギリシャ政府は、イスラエル政府に対し、支援船がエジプトのエルアリッシュ(El-Arish)に向かっていると伝えたものの、カダフィ基金側は支援船の進路に変更は無いとしている。(c)AFP/Hazel Ward