【7月1日 AFP】ドイツ大統領選の投票が30日、連邦大会議で行われ、連立与党が擁立したニーダーザクセン(Lower Saxony)州首相のクリスチャン・ウルフ(Christian Wulff)氏(51)が当選した。ただ、与党内から造反者を出し、第3回投票までもつれ込んだことから、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相にとっては大きな痛手となった。

 第3回投票の得票数は、ウルフ氏が625票、野党側が推す旧東独時代の反体制派で元牧師のヨアヒム・ガウク(Joachim Gauck)氏(70)が494票だった。史上最年少のドイツ大統領となることが決まったウルフ氏を、集まった多くの支持者が祝福した。

 投票総時間は約9時間と、大統領選としてはドイツ史上最長となった。米経済誌フォーブス(Forbes)が選ぶ「世界で最も影響力のある女性100人」で4年連続トップに選ばれたメルケル首相にとって、第3回投票は自身の政治生命を賭けたものとなった。

 ドイツ紙ビルト(Bild)による最近の世論調査によると、ウルフ氏が当選しなかった場合、「メルケル首相は辞任すべき」と答えたのは48%で、「首相にとどまるべき」の30%を大きく上回っていた。(c)AFP/Richard Carter

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