アフガン駐留米軍司令官、更迭か 雑誌で政権批判
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【6月23日 AFP】アフガニスタン駐留米軍の指揮を執っているスタンリー・マクリスタル(Stanley McChrystal)司令官が、米誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)誌のインタビューで、オバマ政権の高官を批判したとして進退問題が持ち上がっている。
バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、司令官は「判断の過ちを犯した」と述べ、更迭する可能性も示唆している。
■雑誌で政府高官を批判
この記事で、まずマクリスタル司令官の側近がジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領をあざけるような発言をし、国家安全保障担当の大統領顧問を「役立たずの道化」と呼んだ上、オバマ大統領との最初の会見でマクリスタル司令官は「失望した」と話している。
さらにマクリスタル司令官自身がパキスタン・アフガニスタン問題を担当するリチャード・ホルブルック(Richard Holbrooke)特別代表をあざけり、司令官の戦略に異を唱えていたカール・アイケンベリー(Karl Eikenberry)駐アフガニスタン米大使に「裏切られた」と述べたという。
オバマ大統領は22日、まずは直接話を聞くため司令官に帰国を命じた。マクリスタル司令官は21日に謝罪を発表した後、通常はアフガニスタンの首都カブール(Kabul)の司令部からテレビ会議で行っている月例戦況報告をホワイトハウスで行うためにワシントンへ発った。
文民でマクリスタル司令官の報道官の1人、ダンカン・ブースビー(Duncan Boothby)氏はすでに辞任している。司令官はワシントンへの到着を待たずに、すでに辞任を申し出たという報道もある。
■オバマ大統領怒る
ロバート・ギブズ(Robert Gibbs)ホワイトハウス報道官は、大統領はこの記事を読んで怒っていたと述べ、司令官更迭の可能性を排除しなかった。
オバマ大統領は、マクリスタル司令官を更迭すればアフガニスタン戦略の妨げとなりかねず、一方で発言を見逃せば弱い政権とみられかねないという、どちらにしても望ましくない選択を迫られた形だ。米軍が駐留9年目に突入したアフガニスタンに3万人の増派を進めている中、今回の記事で軍指導部とホワイトハウスの亀裂が露呈した。
オバマ政権内でマクリスタル司令官の発言が問題になったことは今回が初めてではない。前年にはロンドン(London)で行われた会議の場で、アフガニスタン駐留規模の削減を支持するバイデン大統領の主張を拒絶するような発言をしたことをとがめられている。
現在のアフガニスタン情勢はきわめて難しい重要な局面にある。春から南部で実施してきた旧支配勢力タリバン(Taliban)に対する作戦はペースが鈍る一方、米軍や国際治安支援部隊(ISAF)に対する攻撃は増加している。6月の米軍死者数はアフガニスタン駐留開始以降、最悪に近くなる見込みだ。
マクリスタル司令官が更迭された場合の次期司令官には、ジェームズ・マティス(James Mattis)海兵隊大将が有力視されている。(c)AFP/Dan De Luce
バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、司令官は「判断の過ちを犯した」と述べ、更迭する可能性も示唆している。
■雑誌で政府高官を批判
この記事で、まずマクリスタル司令官の側近がジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領をあざけるような発言をし、国家安全保障担当の大統領顧問を「役立たずの道化」と呼んだ上、オバマ大統領との最初の会見でマクリスタル司令官は「失望した」と話している。
さらにマクリスタル司令官自身がパキスタン・アフガニスタン問題を担当するリチャード・ホルブルック(Richard Holbrooke)特別代表をあざけり、司令官の戦略に異を唱えていたカール・アイケンベリー(Karl Eikenberry)駐アフガニスタン米大使に「裏切られた」と述べたという。
オバマ大統領は22日、まずは直接話を聞くため司令官に帰国を命じた。マクリスタル司令官は21日に謝罪を発表した後、通常はアフガニスタンの首都カブール(Kabul)の司令部からテレビ会議で行っている月例戦況報告をホワイトハウスで行うためにワシントンへ発った。
文民でマクリスタル司令官の報道官の1人、ダンカン・ブースビー(Duncan Boothby)氏はすでに辞任している。司令官はワシントンへの到着を待たずに、すでに辞任を申し出たという報道もある。
■オバマ大統領怒る
ロバート・ギブズ(Robert Gibbs)ホワイトハウス報道官は、大統領はこの記事を読んで怒っていたと述べ、司令官更迭の可能性を排除しなかった。
オバマ大統領は、マクリスタル司令官を更迭すればアフガニスタン戦略の妨げとなりかねず、一方で発言を見逃せば弱い政権とみられかねないという、どちらにしても望ましくない選択を迫られた形だ。米軍が駐留9年目に突入したアフガニスタンに3万人の増派を進めている中、今回の記事で軍指導部とホワイトハウスの亀裂が露呈した。
オバマ政権内でマクリスタル司令官の発言が問題になったことは今回が初めてではない。前年にはロンドン(London)で行われた会議の場で、アフガニスタン駐留規模の削減を支持するバイデン大統領の主張を拒絶するような発言をしたことをとがめられている。
現在のアフガニスタン情勢はきわめて難しい重要な局面にある。春から南部で実施してきた旧支配勢力タリバン(Taliban)に対する作戦はペースが鈍る一方、米軍や国際治安支援部隊(ISAF)に対する攻撃は増加している。6月の米軍死者数はアフガニスタン駐留開始以降、最悪に近くなる見込みだ。
マクリスタル司令官が更迭された場合の次期司令官には、ジェームズ・マティス(James Mattis)海兵隊大将が有力視されている。(c)AFP/Dan De Luce