【6月19日 AFP】ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんが19日、自宅軟禁下で65歳の誕生日を迎えた。同日には、世界各地で抗議集会が開催され、また各国指導者がミャンマー軍政にスー・チーさんの解放を呼びかけた。

 ミャンマーの軍事政権は、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のスー・チーさんを15年近くにわたって軟禁下に置いており、スー・チーさんの次期総選挙出馬も禁止した。権力を強固にするための行動だと軍政を非難する声が上がっている。

■オバマ大統領が「ビルマ政府」に解放要求

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は誕生日メッセージを発表し、スー・チーさんの「人権と民主化への取り組みにおける決断力と勇気、そして自己犠牲」を称賛した。

 オバマ大統領は、ミャンマーの旧国名であるビルマという名称を用い、「アウン・サン・スー・チーさんとすべての政治犯の即時無条件の解放をビルマ政府に再度求める」と要求。「さらに、すべての市民の権利を尊重する、より安定し、より繁栄したビルマを建設するための取り組みに、彼らを参加させるよう求める」と語った。

■世界各地でイベントや集会

 スー・チーさんは誕生日を軟禁中の湖畔の自宅で静かに過ごす予定。自宅では、女性の世話係2人と暮らしており、電話やインターネットの使用は禁止されている。

 一方、スー・チーさんの支援者らは、ミャンマー北部のヤンゴン(Yangon)で小規模なパーティーを開催する予定だ。

 また、スー・チーさん率いる最大野党、国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)は、スー・チーさんの誕生日を記念して、ミャンマー全土で2万本の苗木の植樹をする。

 ほかにもスー・チーさんの誕生日を記念するイベントは世界各地で予定されており、東京とニュージーランド・オークランド(Auckland)ではキャンドルナイトが開かれ、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)ではスー・チーさんへの連帯を表明するデモ行進が行われる。(c)AFP