【6月18日 AFP】ホワイトハウス担当のベテラン記者、ヘレン・トーマス(Helen Thomas)氏(89)の引退により空いたホワイトハウス記者会見室最前列中央の席をめぐり、2つの報道機関が激しい奪い合いを繰り広げている。

 トーマス氏は7日、イスラエルを批判する発言に対する非難の高まりを受け、突然引退。ホワイトハウス記者席の彼女の「特等席」がぽっかり空いた。

 メディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp)傘下のFOXと経済専門メディアのブルームバーグ(Bloomberg)は、それぞれ、この席の所有権を主張する書簡をホワイトハウス記者会(White House Correspondents' AssociationWHCA)の理事会に送付した。

 Fox Newsのビル・サモン(Bill Sammon)副社長は、書簡の中で、2007年に「トーマス氏引退後はFOXのもの」と記者会から口頭で告げられていたことを引き合いに出している。

 さらに、4大ネットワーク(ABCCBSCNNNBC)が最前列を与えられている一方で「わが社は2列目に追いやられている」と不満をつづっている。

 一方のブルームバーグ側は、「席は年功、イデオロギー、伝統、何年も前に行われた議論などの基準で割り当てられるべきではない」と主張している。

 9人の委員から成る理事会は来月16日に会合を開き、記者席の席順の入れ替えについて話し合う予定だ。(c)AFP

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