【6月8日 AFP】国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の定例理事会が7日、オーストリア・ウィーン(Vienna)で始まった。冒頭に演説した天野之弥(Yukiya Amano)事務局長は、イランの核兵器開発疑惑について、IAEAの査察における「特別なケース」だと指摘した。

 欧米諸国はイランが核兵器の開発を目指していると非難しているが、イラン側はきっぱりと否定している。だが、7年以上にわたる調査にもかかわらず、IAEAはイランの核開発は完全に平和利用だとの結論を出すに至っていない。

 天野事務局長は、35か国の理事会メンバーに向かって、「イランの核開発計画には、軍事的側面に関連している可能性がある問題も含まれており、特別なケースだ」と語った。

 さらに、「イランは、イラン国内にある全ての核物質が平和的活動に利用されているとIAEAが確認できるために必要な協力を行っていない」と指摘した。

 一方、今回の定例理事会では、アラブ諸国の働きかけにより、1991年以来初めて、イスラエルの核問題が議題となった。イスラエルは核兵器を保有していると広く信じられているが、否定も肯定もしないあいまい政策をとっている。(c)AFP/Simon Morgan