【6月1日 AFP】ドイツのホルスト・ケーラー(Horst Koehler)大統領は5月31日、ドイツ軍の海外派兵と貿易利権とを絡めた発言の責任をとり、辞任した。すでに支持率が急落しているアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相にとっては新たな頭痛の種が増えた形だ。

 ケーラー大統領は、国際通貨基金(International Monetary FundIMF)専務理事などを歴任し、人気も高かった。また、保守派のメルケル首相の政治的盟友でもある。2004年に大統領に就任し、わずか1年前に2期目が始まったばかり。

 大統領は5月22日に地元ラジオに対し、不安定な地域情勢は「貿易や雇用、歳入面でわれわれにネガティブな影響を与える」として、ドイツのような貿易依存国家は貿易利権の防衛が必要な時もあると語り、批判を受けていた。(c)AFP/Richard Carter