【5月30日 AFP】日中韓首脳会談は30日、韓国の済州(Jeju)島・西帰浦(Seogwipo)で2日目の会談が行われた。

 鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相と韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領は、韓国の哨戒艦「天安(Cheonan)」の沈没について北朝鮮の責任を追及するよう中国の温家宝(Wen Jiabao)首相に求めたが、温首相はこの件が国連安全保障理事会(UN Security Council)に提起された場合、中国がどのような立場をとるのか明らかにしなかった。

 共同会見で温首相は「緊急の課題は天安事件の衝撃を緩和させ、緊迫した情勢を変えて衝突を避けること」と語った。さらに、「中国は関係国と積極的に対話し、地域に平和と安定をもたらすよう努める。共通の長期的な利益のためにはそれが最善だ」と語った。

 韓国大統領報道官によると、李大統領は30日の会談で「天安の沈没によって(北東アジア)地域の政治情勢が不安定化している、という意見もある」と語り、「われわれは戦争を恐れていないが、戦争を望んでもいない。戦争をするつもりはない」と述べたという。

 また、北朝鮮に対する独自の追加制裁を28日に決めた日本の鳩山首相は、この問題が「北東アジアの平和と安定にかかわる深刻な問題である」という点で3首脳が合意したと述べた。

■国連安保理への提起は足踏みか

 韓国の大統領報道官は、共同会見で哨戒艦沈没をめぐる発言がなされたこと自体が重要だと述べ、会談は一定の成果を収めたとの見方を示した。

 しかし、韓国の民間シンクタンク、世宗研究所(Sejong Institute)の白鶴淳(ペク・ハクスン、Paik Haksoon)氏は、温首相の発言は(沈没事件の)調査の信ぴょう性や信頼性に中国が依然として疑問を持っていることを示していると指摘し、中国の支持を事前にとりつけない限り、この問題を国連安全保障理事会に提起しても意味がないと述べた。(c)AFP/Jun Kwanwoo