【5月26日 AFP】韓国側が南北軍事境界線近くの拡声器から、北朝鮮に対する宣伝放送を6年ぶりに再開する動きがみられる中で、北朝鮮の国営朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)は26日、宣伝放送が再開されれば南北共同事業である開城(Kaesong)工業団地への韓国側からの通行を全面遮断すると警告した。

 KCNAによると、朝鮮人民軍は韓国に対する声明を発表し、韓国の宣伝放送が再開されれば、韓国との境界線の西側部分に韓国の関係者や車両を入れさせないと断言した。また境界線近くにある大音量拡声器のスイッチが入れられれば、拡声器に照準を合わせて射撃するとの警告を繰り返した。

 北朝鮮は「北と南が共同管理する西海(黄海、Yellow Sea)沿岸部」でも韓国側の関係者と車両の進入を禁じると発表した。韓国統一省は両国国境のすぐ北にある開城工業団地に通じる鉄道と道路を指すとしている。

 韓国海軍の哨戒艦「天安(Cheonan)」の爆発・沈没は、北朝鮮の魚雷攻撃によるものだったと断定した韓国は、北に対する報復として宣伝放送を6年ぶりに再開することを決定した。韓国側はすでに南北軍事境界線付近に巨大な拡声器の搬入を始めた。また北に対するFMラジオ放送はすでに再開しており今後、宣言ビラの散布も始める予定だ。(c)AFP