【5月25日 AFP】北朝鮮の国営朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)は25日、韓国海軍の艦艇が北朝鮮の領海侵犯を繰り返しており、軍事的な対応も辞さないとする北朝鮮軍の声明を伝えた。

 韓国海軍の哨戒艦が3月に黄海(Yellow Sea)で爆発・沈没したことをめぐり、朝鮮半島情勢は緊迫の度を増している。

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮は、24日までの10日間に数十隻の韓国艦艇が北朝鮮の領海に侵入したと主張し、「黄海における新たな軍事的衝突を誘発しかねない意図的な挑発」、「衰退の極に達した現在の南北関係を戦争局面に押しやるものだ」などと韓国側を非難した。

 さらに「韓国海軍が侵犯を繰り返すならば、北朝鮮はわが領海を守るため実質的な軍事手段に訴える」とし、その結果に対する責任は全て韓国側にあると主張した。

 一方、韓国国防省の報道官は北朝鮮の主張を否定し、海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NNL)を韓国の船が超えたことは一度もないと反論した。

 北方限界線は朝鮮戦争(1950-53年)の休戦後に国連軍が設定したものだが、北朝鮮はこれを認めず、北方限界線より南に独自の境界線を設定している。こうした経緯から北方限界線付近では緊張が絶えず、1999年と2002年に南北間で衝突が起きたほか、昨年11月の衝突では北朝鮮の警備艇が炎上している。(c)AFP/Jun Kwanwoo