【5月18日 AFP】北朝鮮の国営朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)は18日、北朝鮮の最高人民会議(Supreme People's AssemblySPA、国会に相当)が6月7日に平壌(Pyongyang)で開催されると報じた。

 最高人民会議はわずか2か月前の4月に開かれたばかりで、異例のタイミングだといえる。開催理由も明らかにされていない。最高人民会議は、朝鮮労働党からの提案を承認する形式化された会議で、通常は年に1~2回開催される。1年に2回開かれる場合、2回目はたいてい秋に開催される。

■哨戒艦沈没への対応、後継者問題を処理?

 ソウル(Seoul)にある北朝鮮大学院大学(University of North Korean Studies)の梁茂進(ヤン・ムジン、Yang Moo-Jin)教授はAFPに対し、「異例な時期の異例な事態だ」と述べた。

 韓国海軍の哨戒艦「天安(Cheonan)」が爆発・沈没した問題をめぐり、南北朝鮮関係は悪化している。沈没の原因は北朝鮮の魚雷との見方が強まっており、韓国政府は20日の公式報告書発表を前に、北朝鮮が関与していた場合の対応について検討を行っている。

 梁教授は、「最高人民会議では韓国への対抗措置などが話し合われるだろう」との見方を示す。また、今月行われた、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の訪中の成果を承認し、中国との経済関係強化のために憲法・法律の改正を行う可能性もあるとも指摘した。

 一方、韓国国防研究院(Korea Institute for Defence AnalysesKIDA)の白承周(ペク・スンジュ、Baek Seung-Joo)氏は、金総書記が三男ジョンウン(Kim Jong-Un)氏の後継者指名に支持を求めるのではないかとの見方を示す。だが、梁教授は、金総書記が死亡するか職務不能になる、もしく経済状態が大幅に改善するまでは後継者発表はないとみている。(c)AFP/Park Chan-Kyong