【5月17日 AFP】著名な言語学者で政治活動家のユダヤ系米国人ノーム・チョムスキー(Noam Chomsky)氏が16日、大学での講演のためパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)に入ろうとしたところ、イスラエルが管理する国境検問所で通行を拒否された。

 チョムスキー氏がイスラエルのテレビ局「チャンネル10(Channel 10)」に語ったところによると、同氏はヨルダン川西岸のラマラ(Ramallah)近くのビルゼイト大学(Birzeit University)の招待で、17日に講演を行う予定だった。旧友2人と娘とともにヨルダンからイスラエルが管理する国境検問所を経由して西岸入りしようとしたところ、「内務相からの指示に基づく尋問」を受けたという。

 検問所の通行拒否の理由についてチョムスキー氏は、「わたしの主張と、講演をイスラエルの大学でも行わないことが気に入らないため」と説明されたことを明かした。「『わたしの話す内容を気に入る政府があるのか?』と切り返してやったよ」

 イスラエル内務省報道官は、通行拒否は「何らかの誤解」によるもので、同氏は「何の(ブラック)リストにも載っていない」と説明した。同報道官によると、チョムスキー氏はまだ国境にいるという。(c)AFP