【5月17日 AFP】(一部更新)タイの首都バンコク(Bangkok)中心部で占拠を続けるタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相派「反独裁民主統一戦線(UDD)」(通称「赤シャツ隊」)は16日、国連(UN)の仲介のもとで政府との交渉に応じる用意がある意向を示したが、これまで外国政府を介入させないと繰り返してきた政府側はこれを即座に拒絶した。

 占拠地区周辺道路の封鎖が始まった13日からの死者は軍兵士1人を含む35人、負傷者は外国人6人を含む244人に上っている。医療関係者によると、軍兵士が死亡するのは初めて。占拠地区を見下ろす高級ホテルでは17日早朝、銃撃や爆発が発生し、宿泊客らは地下シェルターへの避難を余儀なくされた。また、別の地区にある商業施設3棟が火災の被害にあった。

 人口1200万人を抱えるバンコクは、治安部隊が一部武装したデモ隊に対し実弾を使用するため、一部区域が立ち入り禁止となっている。デモ隊幹部は国王に対し、今回の危機への介入を求めている。

 当局は、17日午後3時(日本時間同日午後5時)までに占拠地区からの脱出を希望するデモ参加者、特に女性や子ども、高齢者などを支援するため、赤十字のスタッフを派遣するとしている。(c)AFP