【5月11日 AFP】10日に投開票が行われたフィリピン大統領選は、故コラソン・アキノ(Corazon Aquino)元大統領の長男ベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)上院議員(50)が当選を確実にした。同国に根強い汚職体質を一掃するとした公約に大きな支持が集まった形だ。

 選挙管理委員会によると、10日夜の開票率57%の段階で、アキノ氏は40.58%の票を獲得。25.72%を獲得した2位のジョセフ・エストラダ(Joseph Estrada)前大統領に大差をつけた。3位の実業家のマニー・ビリヤール(Manny Villar)上院議員は13.85%にとどまった。

 最終結果の発表はまだだが、全体の半数以上の開票が済んでいる状況から、アキノ氏がフィリピンの選挙史上、最大の勝利を収めることは確実と見られる。

 グロリア・アロヨ(Gloria Arroyo)大統領政権の10年間、フィリピンは汚職の広がりが批判の的となっていた。アキノ氏は、フィリピンの民主主義の英雄として尊敬を集める両親のイメージをうまく生かし、新しいスタイルのクリーンな政府を訴えた。

 アキノ氏は自身のウェブサイトで、「汚職はわれわれの民主主義にとって唯一最大の脅威である」としている。(c)AFP/Karl Malakunas

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