【5月9日 AFP】6日に投票が行われた英下院選挙は、英国に36年ぶりの「ハング・パーラメント(宙ぶらりん議会)」をもたらした。この結果を受け専門家の間では、近くもう一度総選挙を実施する必要性を指摘する声も上がっている。

 現在各党の議席数は、定数650議席のうちデービッド・キャメロン(David Cameron)党首の保守党が306議席、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相率いる労働党が258議席、自由民主党が57議席。残る議席の大半は北アイルランドの諸政党が占めている。現在、保守党、労働党、自由民主党の間で連立を模索する交渉が行われている。

 エリザベス女王(Queen Elizabeth II)も状況を注視しており、連立交渉のため関係する各党に4人ずつ高位の公務員を割り当てたという。

 ロンドン(London)のシティ大学(City University)のスティーブ・シフェレス(Steve Schifferes)教授は、先行きの不透明さを嫌うマーケットにとってハング・パーラメントは最悪の選挙結果だったと述べ、政治家は事態打開に数週間を考えているようだが、市場は数日で政治の混乱が終わることを求めていると指摘した。

 リーズ大学(Leeds University)のビクトリア・ハニマン(Victoria Honeyman)教授はおそらく年内にもう一度総選挙があると予想している。オックスフォード大学ナフィールドカレッジ(Nuffield College Oxford)のデービッド・バトラー(David Butler)氏も、連立交渉は成功せず、「かなり近い将来に」もう一度総選挙があると予想する。

 前回英国でハング・パーラメントになった1974年2月の総選挙の8か月後、同年10月に総選挙が行われた。「1974年との類似性は高い。キャメロン氏が少数内閣を組織した場合、その後すぐに解散・総選挙に打って出れば過半数を獲得できる可能性はかなり高いだろう」(バトラー氏)

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