【4月25日 AFP】ボクシングのWBC世界ヘビー級王者、ウクライナのビタリ・クリチコ(Vitali Klitschko)氏(38)が24日、新党「ウクライナ改革民主同盟(Ukrainian Democratic Alliance for Reform)」の立ち上げを発表した。党名の略称は「OUDAR」。ウクライナ語で「パンチ」という意味だ。

 クリチコ氏は「私は目標を達成してきた。これはスポーツの世界だけではなく、政界でも同じだと思っている。私は、ウクライナ発展の障害になっている社会と当局の間に立ちふさがる壁を、狙いすました強力な『パンチ』でノックダウンする用意が出来ている」との声明を発表した。

 同氏は新党の政治的立場を説明しなかったが、2004年のオレンジ革命(Orange Revolution)でクリチコ氏は、今年2月の大統領選挙で親ロシア的なビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)現大統領に敗れた、親欧米派のビクトル・ユーシェンコ(Viktor Yushchenko)前大統領を支持していた。

 ボクシングのキャリアを通じてノックダウンされたことがなく、スポーツ関連の博士号も取得していることから「ドクター鉄拳(Dr. Iron Fist)」の異名を持つクリチコ氏がウクライナ政界に登場したのはこれが初めてではない。2006年と2008年に首都キエフ(Kiev)の市長選に立候補したがいずれも敗れている。(c)AFP