【4月23日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領は22日、出演した米ABCテレビの番組で、ウラン濃縮活動を続けるイランに対する国連(UN)安全保障理事会の追加制裁決議について「中国も同意し、今月末または来月初めに」採択されるとの見通しを示した。

 バイデン副大統領は、採択の時期について、米政府がこれまでに示してきたよりも具体的に言及した。また、イスラエルが米国の同意なしにイランの核施設を先制攻撃することはないとも語った。

 米国は数か月にわたって安保理常任理事国である中国に対し、イランへの制裁強化に賛成するよう説得を続けてきた。中国側は制裁強化に関する国連での協議に参加する意向は示しているが、立場は明確にしていない。

 中国から支持を得るのと引き替えに、制裁内容がオバマ政権が当初目指していたよりも大幅に弱まるとの懸念から、オバマ政権を批判する声も上がっている。

 米国がイランへの制裁を強化し、また米国の同盟国からもイランと取引しないよう圧力をかけられた欧米企業が撤退した後にできた隙に入り込む形で、中国はイランのエネルギー分野に多額の投資を行ってきた。

 イランに対する制裁に中国が同意する可能性を見せたのは、先週ワシントンD.C.(Washington D.C.)で開かれた核安全保障サミットに合わせて行われた米中首脳会談の後だった。

 情報筋によると、欧米の関係国はすでに、全面的な武器禁輸、イランのエネルギー分野への追加投資の禁止、物資の移動や金融取引の制限、イラン革命防衛隊(Revolutionary Guards)が関係する事業に対する制裁などを追加制裁に盛り込むことで合意しているという。

 複数の外交関係者は、今後数週間かけて中国とロシアが追加制裁案を受け入れられるよう文言を調整した上で安保理での採決に進むとみているが、厳しい交渉が予想されると話している。(c)AFP/Tangi Quemener