【4月18日 AFP】サウジアラビアの国営サウジ通信(SPA)は17日、原子力と再生可能エネルギーの研究開発を担当する新組織を創設する計画を同国政府が発表したと報じた。

 首都リヤド(Riyadh)に「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市(King Abdullah City for Nuclear and Renewable Energies)」を設置する。新組織は開発計画策定のほか、原子力の商業利用と放射性廃棄物の処理を監督する。責任者にはハーシム・ビン・アブドッラー・ヤマニ(Hashem bin Abdullah Yamani)商工相が任命された。

 サウジアラビアの原油の確認埋蔵量は世界最大だが、人口増加と多額のエネルギー補助金により国内の石油とガスの消費量は急増している。海水の淡水化プロジェクトによる電力需要増に対応するため、現在主に石油と天然ガスに依存している発電用エネルギーの多様化を目指す。

 前年12月、韓国の企業連合が約204億ドル(約1兆8800億円)で原子炉4基の建設を落札したアラブ首長国連邦(UAE)に比べ、サウジアラビアは原子力エネルギーの利用で大きく遅れを取っているが、今回の発表でサウジが原子力に関心を持っていることも明らかになった。

 サウジアラビアは太陽エネルギーの研究開発にはすでに巨額の予算を投じており、ことし1月には太陽エネルギーを利用した淡水化施設をペルシャ湾岸の都市カフジ(Khafji)に建設する計画を発表している。当初は1日に3万立方メートルの淡水を生産し、第2期計画で規模を10倍に拡大することになっている。(c)AFP/Paul Handley