【4月13日 AFP】ウクライナは12日、高濃縮ウランの国内備蓄を2012年までにすべて放棄すると発表した。米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で47か国が参加して開幕した核安全保障サミットで、ビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領がバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との会談後に発表した共同声明のなかで、明らかにした。親露派のヤヌコビッチ大統領が2月に就任して以来、両大統領が顔を合わせるのは、今回が初めて。

 オバマ大統領の主催で開かれた核安全保障サミット参加国で、核廃絶に向けた具体的な意志表明を行ったのはウクライナが初めてだ。

 ソビエト連邦下にあった1986年に人類史上、最悪の核関連事故となったチェルノブイリ原発事故を経験しているウクライナによる高濃縮ウランの放棄宣言は、象徴的な行動といえる。ウクライナは90年代、旧ソ連時代の核兵器を解体・廃棄する共同声明にも調印している。

 ウクライナが高濃縮ウランの放棄を表明したことについて、ロバート・ギブス(Robert Gibbs)大統領報道官は、米国が放棄に伴う技術および資金面での支援を行うことを明らかにした。(c)AFP