【3月25日 AFP】米教育研究機関イースト・ウエストセンター(East-West Center)は24日、脱北者からの情報を元に、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong Il)総書記の独裁体制に対し、否定的な態度が党上層部にも広がりつつあるとの報告書を発表した。

 報告書によると、体制の人気は北朝鮮国民すべての階層で低くなっている。政府や党の実力者の間でも政権実行能力に対する評価が否定的になっており、党上層部や軍関係者をめぐる政治問題が拡大しつつあることを示す証拠があるという。

 特権階級の間からも不満が出ていることから、これまで考えられていたほど体制は安定しておらず、わずかな動揺で将来の指導者がより改革的な方針を選ぶ可能性があるとしている。

 調査に協力した脱北者たちは、常に北朝鮮の窮状を強調する国のプロパガンダを信じることに徐々に嫌気がさしてきたと証言。国民の窮状は政権実行能力の低さが招いたものだとして、より抜本的な改革を望む動きがあること、その中には韓国との政治協力もあることに報告書は言及している。(c)AFP