【3月24日 AFP】訪米中のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)イスラエル首相とバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は23日、ホワイトハウス(White House)で2度にわたって会談を行った。だが、両国間で懸案となっているイスラエルの入植地問題については、大きな進展はなかったと見られている。

 オバマ大統領は同日夜、ホワイトハウス内の大統領執務室(オーバルオフィス)内にネタニヤフ首相を招き、90分にわたって会談を行った。だが、ここ数年で最も意見が対立している両国関係を表すように、両首脳がメディアの前に姿を見せることのない異例の会談となった。

 米当局者が匿名を条件にAFPに語ったところによると、激しいやりとりの結果、ネタニヤフ首相は自らの外交スタッフと協議することを要求したという。

 ホワイトハウス西棟のルーズベルト・ルーム(Roosevelt Room)で1時間ほど協議を行った後、ネタニヤフ首相は再びオバマ大統領との会談を求め、住居棟から戻ってきたオバマ大統領と大統領執務室で35分の会談を行った。

 ネタニヤフ首相は会談後、記者団の質問などには答えず、ただちにリムジンでホワイトハウスを後にした。

 米政府当局者は、会談の様子や中身、何らかの合意が提案・合意されたのかなどについては言及を避けている。

■追加の住宅建設計画も発覚

 米国は、イスラエルがジョー・バイデン(Joe Biden)米副大統領訪問中の今月9日、東エルサレム(East Jerusalem)での1600戸の入植者住宅建設を発表したことに強く反発している。

 一方のネタニヤフ首相は22日夜、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で行われた親イスラエル系ロビー団体「アメリカ・イスラエル公共問題委員会(American Israel Public Affairs CommitteeAIPAC)」の年次総会で「エルサレム(Jerusalem)は入植地ではなく首都」だと主張し、オバマ政権に対し妥協することはないとのメッセージを伝えた形となった。
 
 さらに、首脳会談が始まる直前には、エルサレム市当局が東エルサレムのパレスチナ系ホテル跡地に入植者向けアパート20戸を建設することを承認したいたことも明らかになっている。(c)AFP/Stephen Collinson