【3月21日 AFP】ロシア各地の数十の都市で20日、「怒りの日」と銘打ち、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相を糾弾する集会やデモが一斉に行われた。参加者たちは続く不況に対する政府の無策に怒りを爆発させた。

 首都モスクワ(Moscow)では無届の集会に約100人の参加者が集まり、その数を大きく上回る機動隊が出動、参加者数十人の身柄を拘束するとともに、デモ行進ができないよう道路を封鎖した。また北西部のアルハンゲリスク(Arkhangelsk)、シベリア地方のノボシビルスク(Novosibirsk)でも数名が拘束されたと報じられた。

 この全国行動は、右派の運動団体から共産党や反体制派政治団体「連帯(Solidarity)」、ドライバー連盟まで、プーチン首相に反対するさまざまなグループが連携して、霧散しがちな国民の怒りの声をひとつに結集しようと組織した。

 抗議行動は、広いロシア極東ウラジオストク(Vladivostok)から時間差で始まった。市内では雪の中を数千人がプラカードを手に「税金にノー」、「国民を犠牲にして新興財閥ばかり甘やかすな」などのスローガンを叫んだ。

 サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)では約1000人が、政権の退陣や行政サービスの料金引き下げなどを要求した。
 
 イルクーツク(Irkutsk)では、世界最深の湖として知られるバイカル(Baikal)湖にゴミを投棄していた製紙工場の再開をプーチン首相が承認したことに、約500人の環境活動家たちが怒りの声をあげた。

 デモが禁止されているロシア西部の飛び地カリーニングラード(Kaliningrad)でも、禁止を破って約500人が手術用マスクをして集まり、沈黙の抗議行動を行った。

 国際的な金融危機とそれによる不況以降、ロシアでは約10年間にわたり続いていた経済成長が止まり、困窮する国民生活の問題を軸に政府に対する抵抗が強まっており、最近の地方選でも与党・統一ロシア(United Russia)の退潮がみられた。(c)AFP/Alissa de Carbonnel