【3月10日 AFP】インド上院は9日、下院と各州議会の定数の3分の1を女性に割り当てる憲法改正案を可決した。共産党、インド人民党(Bharatiya Janata PartyBJP)が与党国民会議派とともに賛成にまわって賛成票は186となり、憲法改正に必要な3分の2を超えた。法案は下院に送られる。

 この法案は1996年に最初に提案されたが、イスラム教徒と低カーストの女性に議席を割り当てなければヒンズー教徒の一部の女性しか恩恵を受けないとして、地域の社会主義政党が猛烈に反対していた。

 国際女性の日(International Women's Day)の8日に上程されたが、反対する議員が法案を破って議長に投げつけたり、議長席のマイクを奪ったりするなどの妨害をしたため、議員7人が処分を受け、採決は見送られていた。9日は院内の秩序維持のため衛視が動員された。

 マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相と国民会議派のソニア・ガンジー(Sonia Gandhi)総裁が女性の権利拡大のうえで画期的な出来事だとするコメントを出したほか、現地紙タイムズ・オブ・インディア(The Times of India)が「女性が家庭(Home)から下院(House)へ」という見出しでこのニュースを伝えるなど、新聞各紙も歓迎する論調が目立った。

  インドにはガンジー氏やプラティバ・パティル(Pratibha Patil)大統領など、重要な役割を果たしている女性政治家もいるものの、政界は男性が支配的で、女性議員は定数545の下院で59人、定数248の上院で21人にすぎない。(c)AFP/Rupam Jain Nair