【3月9日 AFP】(一部更新)イスラエルを訪問中のジョー・バイデン(Joe Biden)米副大統領は9日、エルサレム(Jerusalem)でイスラエル首相との会談後に会見し、イスラエルの安全保障に対する米国の全面的な支援を表明するとともに、中東和平交渉の再開にむけて自身のあらゆる影響力を行使すると述べた。

 タカ派のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相との会談後、バイデン副大統領は「イスラエルの安全保障に対する米国の絶対的、全面的、そして率直な支援が(米イスラエル)関係の土台にある」「米国とイスラエルの関係が一分の隙もないほど密接な時に、中東和平には進展が生まれる。ことイスラエルの安全保障に関しては、両国の間に隔たりはない」と述べた。

 さらにバイデン副大統領は、イランが核兵器保有国になることを米政府は断固阻止すると強調し、イラン政府に対し、「イスラエルと米国の脅威となっているテロリスト組織」への支援を止めるよう強く要求した。

 またバイデン副大統領はイスラエルとパレスチナが米国を仲介役とする「間接交渉」に合意したことを称賛した。しかし同副大統領の訪問と前後してイスラエル政府は、占領を続けているパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のユダヤ人入植地に新たな住宅112棟の建設を許可し、入植の完全凍結を要求しているパレスチナ人は強く反発しており、間接交渉の成功は難しいとの声もあがっている。

 ただ、イスラエルは同日その後、東エルサレムに新たに1600棟の住宅建設を承認したと発表した。これに対しバイデン副大統領は、発表の内容とタイミングが今必要な信頼関係を損ない、現在行っている建設的議論に逆行するものだとして厳しく非難した。

 イスラエル軍が08年12月から09年1月の22日間にわたりガザ地区(Gaza Strip)を攻撃して以来、両者の直接交渉は行われていない。米政府はこの数か月間、両者に交渉再開を働きかけていた。バイデン副大統領は、1年前のオバマ政権発足以来イスラエルとパレスチナ自治区を訪れた米政府関係者としては最高位の人物。(c)AFP/Gavin Rabinowitz