【3月5日 AFP】米国内のヘイトグループ(人種や宗教に基づく差別・排斥を扇動する集団)に関する調査を行っている人権団体、南部貧困法律センター(Southern Poverty Law CenterSPLC)が2日発表した報告によると、過激な反政府主義や陰謀説を掲げる極右組織や武装集団がここ数年で、急増しているという。

「愛国者」を名乗り活動しているこうした極右組織の数は、2008年には149団体だったが、翌2009年には512団体と、約3倍に急増した。うち武装集団は、前年の42団体から127団体に増加した。

 同センターによると、極右組織は政府を第1の敵と位置づけ、あらゆる種類の陰謀説にとりつかれているという。

 極右組織の急増の背景には、米国人口における人種構成の変化や、それを体現したとも言える米国初の黒人大統領の誕生、また膨張する国家債務や破たん金融機関に対する救済に対する不満があると指摘している。またそれらの組織は、オバマ政権の一連の政策を「社会主義的」あるいは「ファシスト的」だと主張している。(c)AFP