【3月4日 AFP】中国の全国人民代表大会(全人代)の李肇星(Li Zhaoxing)報道官は4日、2010年度国防予算は前年度実績比7.5%増の5321億元(約6兆8900億円)となると発表した。

 中国は近年、国防費の拡大路線をとり続け、近隣諸国や米国がその目的について懸念を強めてきたが、国防費伸び率が2けたを割ったのは、ここ20年来で初めて。 

 10年度の国防予算について李報道官は、平和貢献を目指す中国にとって「妥当な額」とし、「軍備増強の目的は自国の主権・領土保全のみに限定される」と強調した。

 中国の軍事情勢に詳しい専門家の間では、国防費伸び率の低減は、経済成長が鈍化するなかで国防費だけが突出することに対し国内から批判が出ることを恐れたものとの見方も出ている。(c)AFP/Robert Saiget