【3月2日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、政権が3月内の策定を目指している「核体制の見直し(Nuclear Posture ReviewNPR)」に核兵器の大幅削減を盛り込む考えだ。AFPの取材に対し米政府高官が1日、明らかにした。

「核体制の見直し」は、核以外の通常兵器による抑止力について「強力で高い信頼性がある」と認め、予算配分の重点を通常兵器に移行していく方針も記載される。さらに、地下施設を狙ったバンカー・バスター(地中貫通型)核爆弾の開発も見送るという。

 オバマ大統領は同日、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官から複数案の提示を受ける。「核体制の見直し」は当初、前年12月に発表される予定だった。

 オバマ大統領は2009年4月、チェコの首都プラハ(Prague)で行った演説で「核なき世界」の実現を提唱し、米国は冷戦思考に基づく安全保障戦略から脱却すると宣言。以降、核大国に対し、核兵器を削減し、世界各国が協調して核拡散の防止に取り組むよう訴えてきた。

 核兵器の大幅削減を盛り込んだ「核体制の見直し」は、オバマ大統領が目指す「核なき世界」に向けた大きな一歩となる。(c)AFP/Tangi Quemener