【2月25日 AFP】ウクライナ大統領選で当選した親ロシア派のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)元首相は25日、ウクライナ独立後第4代目の大統領に正式に就任した。

 就任式に影を落としたのは、7日に行われた大統領選で敗北した対立候補のユリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)首相が出席しなかった点だ。ティモシェンコ氏は自分の敗北を認めておらず、首相職辞任も拒否している。

 人口46万人、ロシアと欧州連合(EU)を橋渡しする存在であるウクライナを新たに率いるヤヌコビッチ大統領は、「オレンジ革命(Orange Revolution)」以降5年間にわたり前任者ビクトル・ユーシェンコ(Viktor Yushchenko)大統領が主導した親欧米路線から、ロシア寄りにかじを切るものとみられている。

 外交政策の優先課題に関してはすでに声明で、ユーシェンコ前大統領が主要目標に掲げた北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)への加盟を追求せず、またロシア主導の軍事同盟にも加わらない方針を示している。

 ただし、EU加盟については追求を止める意図はないことの表明として、来月1日から開始する就任後初の外国訪問では、モスクワ(Moscow)に向かう前にベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)にあるEU本部に立ち寄る日程を選択した。

 内政課題としては、前年の国際金融危機で15%の収縮に見舞われた経済の建て直しと、自らの支持基盤である東部地域と支持の弱い中西部地域との間の溝を埋める努力が必須とされる。(c)AFP/Anya Tsukanova