【2月25日 AFP】トヨタ自動車(Toyota Motor)の豊田章男(Akio Toyoda)社長(53)は24日(日本時間25日未明)、米議会下院監視・政府改革委員会(Oversight and Government Reform Committee)の公聴会に出席し、大規模リコールにつながったトヨタ車の不具合について「きわめて残念だ」と謝罪し、同社に対する信頼を取り戻すことを誓った。

 豊田社長は、顧客の意見をより重視するよう品質管理体制を見直すとともに、米国に製品安全担当の役員を配置し、品質管理に関する権限・責任を強化すると述べた。 証言の模様は日本でもテレビ中継された。

 トヨタ車の、ドライバーが意図せず急加速するという問題で米国では40人近くが死亡したとされており、この問題が世界で約800万台というトヨタ車の大規模リコールにつながった。米議会では3つの委員会がこの件について調査を行っている。

 米議員とトヨタ車のトラブルに見舞われた顧客の一部には、同社が顧客の苦情をないがしろにし、ソフトウェアや電子系統に問題がある可能性を無視してフロアマットがアクセルペダルに絡まったことや、戻らなくなるアクセルペダルのせいにしていたと主張している。

 豊田社長は、安全がおろそかになった原因について「急激な業務拡大にあった」と証言した。委員の質問には日本語で答えた豊田社長は通訳を通じ、電子機器が問題の根本的な原因ではないことに「絶対的な自信」を持っていると語った。

 公聴会では米運輸省道路交通安全局(National Highway Traffic Safety AdministrationNHTSA)も、1000件近い苦情があったにもかかわらず対応が緩慢だったとして厳しく批判された。

 レイ・ラフード(Ray LaHood)運輸長官はトヨタが不当に批判されているとの指摘を否定した。また米国におけるすべてのトヨタ製乗用車とトラックが安全になるまで寝る時間を惜しんで努力すると語り、NHTSAの人員増強を期待すると述べた。(c)AFP/Olivier Knox