【2月12日 AFP】欧州連合(EU)は11日、ベルギーのブリュッセル(Brussels)で開いた臨時首脳会議でギリシャの財政危機について協議し、各国が協力してギリシャを支援することで合意した。

 就任後初めて首脳会議の議長を務めたヘルマン・ファンロンパウ(Herman Van Rompuy)欧州理事会常任議長(EU大統領)は、3月から欧州委員会と欧州中央銀行(European Central BankECB)が国際通貨基金(International Monetary FundIMF)の協力も受けてギリシャの財政再建状況を毎月検査することを明らかにした。

 ここ数週間、ギリシャが債務不履行になるのではないかとの見方が市場に広がりギリシャ国債の価格が下がっていた。ポルトガル、アイルランド、イタリア、スペインの財政悪化も不安視され始めて対ドルのユーロ相場も下落しており、市場は財政危機がギリシャ以外の国に広がるのではとの不安を払しょくする強いメッセージを求めていた。

 EU27か国の首脳は「ユーロ導入国はユーロ圏全体の金融の安定を守るため、必要であれば協調して断固たる措置を取る」との宣言を発表したものの、ユーロの対ドル相場と欧州市場の株価が反転するには至らなかった。

 首脳会議前に「精神的、政治的支援を求めたい」と話していたギリシャのヨルギオス・パパンドレウ(George Papandreou)首相は、欧州連合がギリシャを支援する姿勢を示したことは、市場の投機的な動きに対する明確な警告だと述べた。

 ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)首相は、ギリシャ支援策の詳細は今後詰めることになるが、各国が協調して行う融資や債務保証が中心になるだろうと語るとともに、ユーロ債の新規発行はないだろうとの見方を示した。ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相も、「EUがギリシャを見捨てることはないが、ルールはルールであり尊重されるべきだ」と語った。

 ユーロ圏の財務相は15日にブリュッセルで会議を開き、具体的なギリシャ支援策について協議する。(c)AFP/Roddy Thomson