【2月9日 AFP】スリランカ軍当局は8日、前月の大統領選で現職のマヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapakse)大統領に敗北したサラス・フォンセカ(Sarath Fonseka)前参謀長(59)を、詳細不明の「軍法違反」容疑で逮捕した。逮捕の数時間前、フォンセカ氏は戦犯法廷において証言する用意があると語っていたばかりだった。国営メディアが伝えた。

 フォンセカ氏は、大統領選で支持を受けた主要野党同盟の事務所にいたところを、踏み込んできた兵士によって拘束された。事務所は重武装した兵士が封鎖し、記者やカメラマンが建物内に入ることを阻止した。

 逮捕の数時間前、フォンセカ氏はこの事務所内で記者団に対し、前年の反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)」との内戦末期に、スリランカ政府軍が犯したと言われている戦争犯罪についての国際的調査を受け入れると語っていた。

 スリランカ政府は、軍高官が降伏したLTTE幹部らの処刑を命じたとされる疑いについて、調査を求める声が国際的に高まっていることに対し、抵抗を示している。

 フォンセカ氏は「いかなる調査にも応じ、証言する用意がある」とし、「戦争犯罪を犯している者を守るつもりはない。そうしたことは愛国的な行為ではない」と語った。

 フォンセカ氏はまた、自身の暗殺の恐れにも言及していた。

 フォンセカ氏は前年、軍参謀長としてLTTEとの戦いで政府軍を勝利を導き、37年におよぶ内戦を終結させた。(c)AFP/Amal Jayasinghe