【2月4日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は3日、中国の通貨政策に対する米議会のいらだちを背景に、中国政府に人民元の切り上げを求めるなど、貿易や通貨問題で中国により厳しい姿勢で臨んでいくと発言した。

 4日、記者会見でこの発言への所感を求められた中国外務省の馬朝旭(Ma Zhaoxu)報道局長は、「誤った非難や圧力は問題解決にならない。人民元の水準が米国の対中貿易赤字の主要因になったことはない」と反発した。

 前日オバマ大統領が発言したのは米上院民主党の議員集会の場で、対中貿易は維持しながら、中国に米国製品への市場開放をさらに迫っていく意向を強調した。そのためにより厳しい態度で、従来の貿易ルールの適用の厳格化を求めていると述べた。

 また、中国をはじめとする各国に相互的な市場開放を促すために必要なのは継続的な圧力だとし、なかでも国際的に取り組むべき課題のひとつが為替レートであり、「人為的にわが国の製品の価格が引き上げられ、他国製品の価格が引き下げられないようにすべきだ」と述べた。

 今回の中国の反発により、米国から台湾への64億ドル(約5800億円)規模の武器売却や、オバマ大統領がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世との会談を予定していることなどにより、すでに高まっている米中両政府間の緊張がさらに深まりそうだ。(c)AFP/Marianne Barriaux