【1月30日 AFP】ロシアで29日、作家のアントン・チェーホフ(Anton Chekhov)生誕150周年を祝うイベントが開かれ、読書家として知られるドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)ロシア大統領は、「(大ヒット映画)『アバター(Avatar)』は、チェーホフの代わりにはなれない」と語った。

 チェーホフは1860年1月29日、ロシア南部の港湾都市タガンログ(Taganrog)に生まれた。生誕150周年を記念して同市を訪問したメドベージェフ大統領は、ロシアを代表する舞台演出家らとの会合に出席。この模様はテレビで中継された。

 メドベージェフ大統領は、「新技術を駆使した『アバター』はとても美しく緻密で、高額な予算がつぎ込まれた映画だ。しかし、決して舞台芸術に取って代わることはない」と述べた。

 メドベージェフ氏は、舞台芸術がロシアで重要な役割を果たしていると指摘し、「舞台芸術は多くの困難に見舞われているが、いまもなお不滅なのだ」と語った。ロシア国内には600もの劇場があり、毎年計3000万人が足を運んでいる。

 また、メドベージェフ氏は、チェーホフのファンであることを告白。10代の初めに強い関心を持つようになり、チェーホフの全著作を読破したと語った。

 メドベージェフ氏は、チェーホフの誕生日が、自らの人生について考えるきっかけになった様子で、「きょう、チェーホフの人生の長さについて考え、わたし自身のことも考えた。チェーホフは44歳で死去した。(44歳までに)チェーホフは不朽の作品群を生みだし、人生を完成させたのだ。そしてわたしも今、44歳なのだ」と語った。(c)AFP

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