【1月28日 AFP】アフガニスタンの安定化について支援策を協議する国際会議が28日、英ロンドン(London)で開かれ、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)アフガニスタン大統領は参加各国に対し、旧支配勢力タリバン(Taliban)のなかの穏健派との和解に支援を求めた。

 70か国近くが参加した会議の冒頭でカルザイ大統領は、アフガニスタン政府、また同政府の支援国ともに、「アフガニスタンのすべての国民、特に(国際テロ組織)アルカイダ(Al-Qaeda)に合流していない『目覚めた兄弟たち』に手を差し伸べなければならない」と述べた。

 ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相は今回の会議について、アフガニスタンの治安権限を、駐留している国際支援部隊からアフガニスタン自らの手に段階的に「移譲する過程の始まり」だと表現した。ブラウン首相は年内にも地域ごと、州ごとに権限移譲が開始すると述べるとともに、アフガニスタン国内のアルカイダ勢力を「打倒する」と明言した。

 またブラウン首相は、カルザイ大統領が5億ドル(約450億円)規模をかけ、タリバン戦闘員に職を提供し、離反を促そうとしている「再統合計画」のために国際基金を創設する旨を宣言した。この計画にはすでに日本、米国、ドイツなどが支援を表明している。

 同会議には潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連(UN)事務総長や、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官も出席した。

 一方、会場となったロンドン中心部のランカスター・ハウス(Lancaster House)前には、約100人が集まり、アフガニスタンからの各国軍の即時撤退を迫るなど抗議を繰り広げた。

 同会議では、アフガニスタン軍およびアフガニスタン警察の強化についても合意するとみられる。ブラウン首相は2011年10月までに駐留中の「国際支援部隊よりもかなり多い」計30万人にまで増員するという目標を挙げた。(c)AFP/Katherine Haddon