【1月27日 AFP】アザラシ猟に抗議する国際動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of AnimalsPETA)」のメンバーが、カナダ漁業海洋相の顔面にパイを投げつけたことをめぐって、カナダ野党議員が「PETAをテロ組織に指定すべきだ」と訴えている。

 カナダのゲイル・シェー(Gail Shea)漁業海洋相は25日、オンタリオ(Ontario)州のバーリントン(Burlington)で講演中に、PETAのメンバーに顔面にパイを投げつけられた。パイを投げたのはニューヨーク市(New York City)在住の女(37)で、事件後、暴行容疑で拘束された。PETA側も犯行を認めている。

 事件を受けて、野党のゲリー・バーン(Gerry Byrne)議員は、「政治的主張を押しつけるためにカナダ市民に対して犯罪行為を指揮、あるいは実行する者たちは、テロ組織の条件に合致しているように、わたしには思われる」と批判。「カナダの法のもとで、PETAが実際にテロ組織として行動しているかどうか、調査を要請する」と政府に求めた。

 これに対し、PETA側は、バーン議員の発言を「馬鹿げた威嚇行為だ」と一蹴(いっしゅう)。「動物を愛する心を持つ人や、豆腐クリームパイと爆弾の区別がつく程度の知能がある人であれば、(バーン議員の訴えに)賛同することはないだろう」と語った。

 カナダで350年以上の伝統があるアザラシの商業捕獲を中止に追い込もうと、アザラシ猟を「野蛮」と考える動物愛護団体らは、近年、積極的な反対運動を実施している。(c)AFP

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