ビン・ラディンのFBIモンタージュ、「素材」になったスペイン政治家が激怒
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【1月17日 AFP】(写真追加)米連邦捜査局(FBI)が、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の「現在の姿」として作成したモンタージュ写真に、反米姿勢で知られるスペインの政治家の写真が部分使用され、この政治家は訴訟も辞さないと激怒している。
16日のスペイン紙エル・ムンド(El Mundo)によると、問題の写真はFBIが「現在のビン・ラディン容疑者」としてコンピューターで作成したモンタージュ写真で、ビン・ラディン容疑者は白髪で無精ひげを生やしている。
FBIのモンタージュ技術者は、インターネット上で見つけたスペイン左派の連合会派、「統一左翼(IU)」の代表ガスパル・リャマサレス(Gaspar Llamazares)氏の写真から、髪の毛と額の部分を画像合成の素材に使用した。
このモンタージュは、米国務省がテロリストに関する情報提供を呼び掛けている報奨金プログラム「正義のための報酬(Rewards for Justice)」のウェブサイトに数時間、「最重要指名手配者」として掲載された後、削除された。
FBIのケン・ホフマン(Ken Hoffman)広報官によると、使用にあたって組織的な指示はなく、技術者個人の判断だったという。作成に際してFBIのプログラムが提示した髪の毛の画像に技術者が満足せず、ネット上で探した写真を使用したが、これはFBIの通常の手順に反していると同広報官は釈明した。
使用されたほうのリャマサレス代表は13日、FBI側に正式に説明を求めるつもりだと述べ、米政府に対する訴訟も辞さない構えを示した。リャマサレス氏は「ビン・ラディン容疑者にとってはどうということはないだろうが、安全を脅かされたのはわたしのほうだ」と力を込めて述べた。(c)AFP