【1月17日 AFP】中国の広州(Guangzhou)と香港(Hong Kong)を結ぶ「広深港高速鉄道(Guangzhou-Shenzhen-Hong Kong Rail Link)」の建設予算を香港の立法会(議会)が承認したことを受けて、鉄道建設に反対する1000人以上が16日夜に議会前で座り込みの抗議活動を行った。

 広深港高速鉄道は、完成後は中国高速鉄道網の一部となる予定で、中国広州市と香港を現在の半分以下の48分で結ぶ。鉄道建設の狙いは、香港と中国主要都市の経済的なつながりを強化することとされており、2015年の開通を目指している。

 一方、同計画に反対する抗議団体は、「地元住民に適切な説明が行われておらず、また巨額の建設費用がかかる。沿線の地元住民は立ち退きを命じられ、利益を得るのは土地開発者だけだ」として、予算承認を遅らせようとしてきた。

 建設計画の予算承認の採決は、これまで2回見送られていた。立法会は同日、8時間の審議の末、同高速鉄道に対する669億香港ドル(約7800億円)の支出を承認。その後、抗議団体のメンバーは立法会の建物を取り囲んだ、

 警察は抗議団体のメンバーに催涙スプレーを使用した。抗議団体側は計画に賛成した当局者が車で移動するのを阻止し、鄭汝樺(Eva CHENG)運輸家屋局長を乗せた車が立法会の駐車場で1時間ほど立ち往生した末に鄭局長が建物に戻る場面もみられた。(c)AFP