【1月11日 AFP】(一部更新)北朝鮮外務省は11日、朝鮮戦争を正式に終結させるため、休戦協定に代わる平和協定の締結を提案し、米国との平和協定締結も求める声明を発表した。同声明では、北朝鮮の核問題をめぐる交渉の進展よりも先に、同国への制裁の解除も求めている。

 12月に米国のスティーブン・ボズワース(Stephen Bosworth)北朝鮮政策担当特別代表が訪朝して以来、北朝鮮側が公式に見解を示したのは初めて。ボズワース代表は北朝鮮に、同国の核問題をめぐる6か国協議への復帰を説得していたが、決定的な合意には至らなかった。

 声明はその6か国協議について触れ、協議での失意や挫折が度重なったことから、関係国間の信頼構築が必要なのは明らかだとし、まず米国との関係について「敵対関係の根本原因となっている戦争状態を終結させるために、まずは平和協定を締結すべきだ」と述べている。また「平和協定が締結されれば、朝鮮半島の非核化は速いテンポで前向きに進むだろう」と主張している。

 北朝鮮側は長年、休戦協定を結んだにすぎなかった朝鮮戦争を正式に終結させる平和協定の締結を求めてきた。6か国協議の05年と07年の合意では、平和協定をめぐる交渉の可能性について言及はされたが、北朝鮮が完全に非核化した場合のみの引き換え条件と定められていた。

 対照的に北朝鮮は今回の声明で、平和協定を先に結ぶべきだと提案している。また平和協定締結のための協議は、6か国協議の枠内でも可能だとも述べている。

 また09年の北朝鮮による地下核実験やミサイル試射以降、国連(UN)が強化した制裁について「そうした差別や不信感といった障害が取り除かれれば、すぐにでも6か国協議再開につながるだろう」とも触れている。(c)AFP/Simon Martin