【1月6日 AFP】カナダ政府は5日、米機爆破未遂事件を受けたセキュリティー強化措置の一環として、国内の主要11空港に全身を透視できるスキャナーを導入すると発表した。

 今後2か月で計44台を導入し、1台当たりの費用は25万カナダドル(約2200万円)。既存のチェックシステムで引っかかった乗客について、全身スキャナーでの透視または身体検査のいずれかを求めるという。

 全身スキャナーについては、プライバシーの侵害や、電磁波やX線による健康面での影響が懸念されている。欧州連合(EU)は同日、加盟国における大規模導入を支持する前に、こうした懸念が解消される必要があるとの考えを示した。

 欧州では英国とオランダがスキャナー導入を決めた一方、スペインはEUの同意なしでは導入しない方針。ドイツとイタリアはセキュリティー強化を支持しており、イタリアは「乗客のプライバシーを犠牲にしても安全を確保することが肝要」との立場だが、健康被害の可能性を問題視している。(c)AFP