【1月2日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領がアコーディオンを弾きながらつま先立ちでくるりと回転し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相が伝統舞踊を踊りながらお尻でタンバリンを叩く――このようなアニメーションが1日、ロシアの国営テレビで放映され、仏頂面の政治家に慣れた国民に衝撃を与えた。

 国営テレビ「第1チャンネル(Channel One)」は1日、メドベージェフ大統領の新春の挨拶を放映した直後、プーチン首相とメドベージェフ大統領に似たキャラクターが登場する2分半のアニメーションを放送した。これまで、ロシアでは指導者のテレビアニメを放映することは実質的にタブーとされてきた。

■2009年を歌で振り返る

 2人のキャラクターは、絵で描かれたモスクワ(Moscow)のクレムリン(Kremlin)を背景に、赤の広場(Red Square)でスーツを着込んで陽気なデュエットを披露。2人にそっくりな物まね役者が声を担当し、2009年を振り返った。

 プーチン首相役のキャラクターは、プーチン首相が、ロシア北部の工業都市ピカリョボ(Pikalevo)で起きた抗議デモを収拾するためにピカリョボに乗り込み、ロシア・アルミニウム(Russian Aluminum)のオレグ・デリパスカ(Oleg Deripaska)社長を怒鳴りつけた出来事を振り返り、「わたしはあらゆる対策を講じ、ピカリョボはまるく収まった♪」と歌った。

「いまや、デリパスカ(社長)が安全に訪問できるほど」と、メドベージェフ大統領役のキャラクターが、甘い歌声で合いの手を入れた。

 また汚職取り締まりについて、メドベージェフ大統領役のキャラクターが、「昔々、官僚たちはわいろで暮らしていたとさ」と歌い、プーチン首相役のキャラクターは威嚇するような声で「いまや、控えめなものだ。どこかよそで暮らすだろうさ」と刑務所暮らしをほのめかした。

「厳しいことさ♪」とメドベージェフ氏役が歌うと、「でも結果的には、公平だ」とプーチン氏役が続いた。

 最後に、メドベージェフ氏役とプーチン氏役は声をそろえ、「もっと歌っていたいけれど、公務を忘れることはできないのさ。みなさん、新年おめでとう!」と歌い上げた。(c)AFP/Stuart Williams

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