【12月28日 AFP】前日、反体制派のデモと警察が衝突し8人が死亡したイランで28日、当局が反体制派の弾圧に乗り出し、政府批判で知られる元外相とジャーナリストの2人や、改革派指導者らの側近たちを拘束した。

 反体制派のウェブサイト「Rahesabz」によると、身柄を拘束されたなかには、1979年のイラン革命初期に外相を務めたエブラヒム・ヤズディ(Ebrahim Yazdi)氏や、人権活動家として受賞歴のあるジャーナリスト、エマデディン・バキ(Emadeddin Baghi)氏が含まれている。

 また改革派系ウェブサイト「Parlemannews」によると改革派の筆頭、モハマド・ハタミ(Mohammad Khatami)前大統領やミルホセイン・ムサビ(Mir Hossein Mousavi)元首相の側近たちも複数拘束された。

 先に警察は前日の抗議デモのなかで、少なくとも300人を拘束したと発表していた。このデモ隊と警官隊の衝突は、過去数か月で最大の流血の惨事となった。

 イラン国営英語放送プレスTV(Press TV)は28日、イラン最高安全保障委員会(Supreme National Security CouncilSNSC)関係者の話として、前日の死者は8人と報じたが、どの都市で死者が発生したかなど詳しくは伝えなかった。

 しかし、ほかの国営テレビは、首都テヘラン(Tehran)だけで15人と、異なる死者数を発表していた。この放送では、15人中10人は「反革命的なテロリスト」グループのメンバーだと伝えていた。

 一方、前日治安部隊に胸を撃たれ死亡した、ムサビ元首相のおいのセイエド・アリ・ムサビ(Seyed Ali Mousavi)氏の遺体は、病院から移されたと家族が語った。移送先は明らかにされていない。(c)AFP