【12月23日 AFP】イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相が13日にミラノ(Milan)で男に襲われて顔面を負傷した事件は、スキャンダルが相次ぐ同首相に世論の同情を集めるために仕組まれたものだとする動画が動画共有サイト、ユーチューブ(YouTube)に投稿された。

「ベルルスコーニへの攻撃は仕組まれたものだ」と題されたこの動画は、ベルルスコーニ首相が男に襲われた後、すぐに顔の下半分を黒い袋で覆い、出血が確認できない状態で車に担ぎ込まれる様子を写したテレビの映像のもの。

 この動画で指摘された第一の疑問点は、なぜ首相は襲われてから数分後に車から降りて、カメラの前に血だらけの顔をさらしたのかという点だ。また、この時、左目の下に序盤の映像では確認できなかった深い傷もあった。さらに、首相の服には血液が一滴もついていなかったという。

 動画の作成者は、「短期・長期的にインターネットを管理下におくことを目的とした、巧みな操作が世界規模で進行している」と結論付けている。この動画は20万回以上閲覧されているほか、同サイト上には同様の動画が投稿され、約6万回も閲覧されているものもある。

 しかし、与野党の政治家はこの主張を退けている。ベテラン医師でもある野党・民主党のジュゼッペ・フィオローニ(Giuseppe Fioroni)氏は、ベルルスコーニ首相に投げつけられた物体がこめかみを直撃していたら死んでいたかもしれないと指摘し、「ばかげた議論」はやめるべきだと語った。(c)AFP