【12月14日 AFP】タイのタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相は13日、自家用機でカンボジアのプノンペン(Phnom Penh)国際空港に到着した。汚職で有罪判決を受け海外逃亡中のタクシン氏のカンボジア入りは、両国間の新たな火種になるとみられる。

 2006年のクーデターで追放されたタクシン元首相は、厳重な警備の中、護衛の車に囲まれプノンペン市街へと向かった。

 タクシン氏は先月、カンボジア政府の経済顧問に任命され同国を訪問。カンボジアのフン・セン(Hun Sen)首相がタイ政府による身柄引き渡し要請を拒否し、両国間の対立が深まった。

 タイ政府の報道官は13日、新たな身柄引き渡しを要請すると発表したが、カンボジア外務省報道官は「この問題に関するカンボジアの姿勢は変わらない。タクシン氏の身柄を引き渡すことはない」とし、「時間の無駄」だと語った。

 タクシン元首相は到着後、自らが関係するスパイ罪で有罪判決を受けたシワラク・チュティポン(Siwarak Chothipong)被告(31)に面会するためPrey Sar刑務所に向かった。航空管制技師のチュティポン被告は、タクシン氏の渡航情報をタイ大使館に渡したとして禁固7年の有罪判決を受けていた。同被告は14日、恩赦を受け釈放される。
 
 同被告の釈放後、タクシン元首相はフン・セン首相宅で開催される公式セレモニーに、タイ野党関係者や被告の母親らとともに出席する。(c)AFP/Suy Se